IT/DX戦略

中小企業が「AIに使われる会社」にならないために

   

AI導入=DX完了ではない。中小企業が「AIに使われる」側にならないために、AIと人の補完関係をどう経営設計に落とし込むかを解説。


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3:55


ChatGPTをはじめとする生成AIが登場してから、「AIをどう使うか」という相談を受ける機会が増えました。ただ、話を聞いていると、どこかで「AIが勝手にやってくれる」という幻想を持たれている方が少なくありません。AIは、導入した瞬間に成果を生む魔法の箱ではありません。使い方を間違えれば、AIに使われる会社になってしまうのです。

AIを“入れた会社”が抱える3つの誤算

第一の誤算は、「AIが人の代わりになる」という思い込みです。AIが優れているのは速度と量、そして記憶の精度です。一方で、共感や現場感、顧客心理の読み取りは人間にしかできません。つまりAIは“代わり”ではなく、“補助輪”です。

第二の誤算は、「ツール導入がDXだ」という誤解。ChatGPT、HubSpot、Salesforce――どれも素晴らしい仕組みですが、目的が曖昧なまま導入しても、使われずに終わります。 DXとは、ツールを入れることではなく、「どう変えたいか」という経営デザインを描くことです。

そして第三の誤算は、「AIを扱うのは技術者だけ」という発想。AI活用の本質は“思考の変革”にあります。AIを経営に取り入れるとは、人とAIがどう役割分担し、どう信頼を築くかを設計することなのです。

“AIに使われる会社”と“使いこなす会社”の違い

AIに使われる会社は、ツール中心で考えます。AIをどう導入するか、どの機能を使うかに注目する。
一方、AIを使いこなす会社は、人を中心に考えます。社員がどうAIと協働し、どう価値を生み出すかを設計する。

例えば、営業の現場ではこうです。AIが顧客データを分析し、最適な提案タイミングを示す。
でも、その提案を“どう伝えるか”は人の感性にかかっています。AIが導き出すのは「情報」、それを「信頼」に変えるのは人間です。

AIが生み出すのはデータ。
人が生み出すのは、物語です。

“AI戦略担当”より“AI理解者”を育てる

多くの中小企業がAI導入でつまずく理由は、社内に“AIを理解して翻訳できる人”がいないことです。AI担当を設けるよりも先に、経営者自身がAIの可能性と限界を理解すること。その理解が、社内全体の方向性を決めます。

社員に「AIを使え」と指示するよりも、「AIとどう協働するか」を共に考える。それこそが、これからのリーダーシップです。

Sales SeedsのAI・DX伴走スタンス

私たちセールスシードは、AIを“導入する”のではなく、“経営に溶け込ませる”支援を行っています。Salesforce・HubSpotなどのCRM/MAツールを軸に、AIを「意思決定の補助線」として活かす。つまり、人の判断を磨くためのDXを設計しています。

DXの目的は自動化ではなく、「人がより人間らしく働ける環境」を作ること。

AIに仕事を奪われるのではなく、AIと共に“仕事の質”を高めるためのDX。それが私たちの考える、地域企業のAI戦略です。

AIは経営を映す鏡である

AIをどう使うかは、その企業の“経営思想”を映し出します。数字だけを追う会社は、AIにも数字を追わせる。人を大切にする会社は、AIを通じて人を活かす仕組みをつくる。

AIは、経営者の思考を拡張する鏡。どんなAIを導入するかではなく、どんな未来を見せたいかがすべてです。

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セールスシードでは、「AIを導入したけれど成果につながらない」という企業様へ、業務設計と運用支援をセットにしたDX伴走型コンサルティングを提供しています。

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