Unreal Engineは、もともとは3Dゲームを開発するツールだったが、今や仮想空間を創造するためのプラットフォームとなっている。なぜ、Unreal Engineの話かというと、Unreal Engine 5がリリースされたためだ。
数年前まで、「コンピュータグラフィックス(CG)もきれいになったねぇ。映画もCGと実写の区別つかないよねぇ。」などとのどかに語っていたのが、今やリアルタイムに実写レベルのCGがレンダリング(描画)できる時代へと突入した。何を言ってるのかよく分からない人も多いかと思うが・・・。
例えば、実写映画の1シーンで、アメリカの摩天楼を歩いているシーンがあったとする。観ている人がその摩天楼の路地裏を曲がりたいと思っても曲がれない。映画のカメラワークなので当たり前の話だ。ところが、Unreal Engineで創造された空間では、実写と区別が付かない摩天楼を自由に歩き回れる。実写にしか見えないが、架空の空間なので、エイリアンやゾンビを登場させることもできる。
ゲームしない方には、ここまで説明しても分からないか(^_^;
しかし、ここまで実写に近づくと、例えばリモート会議でこの技術を使うとどうなるだろう?
「対面じゃないと相手の表情や息づかいが伝わらない!」
と主張していたリモート絶対反対おじさんたちも撲滅できるかもしれない。
火星や月への観光旅行さえも(仮想だけど)可能になるし、リアルに存在するヨーロッパの観光地の町並みを寸分違わず再現すると現地に旅行できなくても現地に行ったかのように体験できる。
というと「出たよ、IT技術で夢を語りたがる業界人」という反応も返ってくるかもしれないが、もう一度、こちらをみてほしい。この街並みの映像、人工的なゲームの中の映像だよ。脳がだまされるという表現がされるが、もはや視覚も完全にだまされるレベルに到達している。そうすると、視覚と聴覚はだませるから、嗅覚と体の感覚だけかとなる。そこまでだませたらUSJやディズニーランドに行かなくてもゲームの中で事足りる・・・という妄想を吐き出したくなるほど技術の進歩は止まらない。
2022年のUnreal Engine 5のゲーム画面
何がいいたいかというと、メタバースなど呼ばれ、プラットフォーマーが数兆円単位のM&Aや投資を繰り返しているものの一端を識っておくべきだということだ。メタバースについて「ふっ、ゲームの話だろう。」、「セカンドライフという壮絶な爆死を遂げたコンセプトと同じにしか見えん。」と思った方は、一度正座して最新のゲームを遊んでみることをおすすめしたい。