創造力はどこからくる?

創造力:英語でCreativity(クリエイティビティー)

私見だが、今の日本経済にとって一番求められている力だと思っている。事業創造は社会的にも喫緊の課題となり、岸田政権もスタートアップ支援を強調している。

ところが、ここ数十年間、そうした試みは大した効果を挙げておらず、結果として高度成長期とバブル期に生まれた企業が今も産業の基幹をなしている。少子高齢化対策と同様、30年前から対策を講じてきたのにほとんど結果を出せていない。

仕事柄、この課題が頭にあるが、コロナ禍と日本社会の対応をみていると答えは明らかだと感じている。それは日本人の「リスクとの向き合い方」にある。テレビでも「死者ゼロにならないと緩和はない」とコメンテーターが意見表明したように、リスクに対して極端な反応を取ってしまうことが創造性の芽を摘んでいる。

創造的な言動は時に破天荒に映るものだが、そうした人物を社会の不適格因子として排除しようとする国民性。何かビジネスアイデアを思いついても、資金の出し手がリスクを恐れ、個人保証を付けようとするなど責任追及を恐れて何もできない自縄自縛に陥っている社会。

そんな空気の中で、政府がいくら旗を振っても事業創造にトライする方は増えない。そういう構造が少子高齢化対策と嫌というほど似ている訳であり・・・。先程も書いたとおり、リスクを極限まで抑えようすると「何もせず現状維持」が正解になる。実は「何もしない」と環境変化に適応できなくなるので、潜在的な破綻リスクはかなり高いのだが、顕在化しているリスクを異常に恐がるとそうした潜在的なリスクは「見ないふり」するようになる。なぜなら、潜在的なリスクが顕在化した時は「私に責任はない」と主張できるから。

そうして考えると「何もせず現状維持」を社会的にもよしとする共通認識があるのかもしれないと思う。コロナ禍に対して、社会的に活動自粛しろと声高に主張する方も多いのをみても、本音と建て前の国なんだなと深く納得してしまう。国民の隠れた総意として「昔からやってきた産業でいいじゃないか?新しい産業を生み出す創造的なビジネスになんて取り組みたくない」という本音が隠れている。事業創造に取り組むにはこの本音にメスを入れる施策が必要だが、少子高齢化対策と同様に現実問題として無理そうだ。

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