2023年7月14日にジブリ映画「君たちはどう生きるか」が公開された。
注目を集めたのが、映画の販促を一切しないという潔い方針が採用されたことだ。
- メインビジュアルのみ公開
- 予告編なし
- メディア告知なし
- 事前情報公開なし
という販促活動をまったくしないという割り切りだった。皮肉にも「販促をしない手法」が大手メディアに大々的に取り上げられ、他の映画よりはるかに注目を集めていたのが印象的だった。
「いやいやジブリだからできることでしょ。」との声も多かったが、この販促手法について考えてみたい。
今回のケースは、一回しか通用しない奇手だろうか?
そもそも、販促活動のテクニックは、インターネットやSNSが存在しない時代から編み出されてきたものだ。昔から「口コミ」効果は大きいと指摘されてきた。インターネットがない時代には、ラジオ、テレビ、対面での井戸端会議でじわじわと情報が拡がっていったものだ。
そして、消費者の大半がSNSに接している現在では、情報伝達は文字通り光の速さで広まっていく。マスメディアで情報封鎖すると逆にSNSで情報が拡がる逆転現象さえ起きる。ジブリがどういうコンセプトでこの手法を採ったのかは明かされていないが、こうした「販促をしない販促」は対消費者では有効な手法として研究が進むと考えている。